第41章 5月16日*日向*
5月16日、午前8時15分。
いつも通りの金曜日の朝。
教室で友達と話しながら、ちらちらと時計を見やった。
もうそろそろ順平戻ってくる頃かな。
すると、教室には先にリコが入ってきた。
「リコお疲れ様。さっきはありがとうね。」
「いいのよ。さぁて…日向くんどんな顔して来るかしらね?」
今回のサプライズにリコのサポートは必要不可欠だった。
弾む気持ちを抑えつつ、教室の扉の方へ視線を移すとちょうど順平が入ってきた。
目がばちっと合うと、順平が何も言わずに手招きをしてきた。
順平のところに駆け足で行くと、すぐに手首を掴まれて階段を上に上にと昇っていった。
屋上へと辿り着くと、順平は私の手首を離して、私と向かい合った。
どんな反応するのか表情を窺うと、どこか照れくさそうにちらりと私を見た。
「。…お前さ、朝からビックリさせんな。」
「え?」
「これ入れてくれたのお前だろ。」