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黒子のバスケ*Short Stories3

第4章 真っ白な世界だからこそ*赤司*


手袋をはめた手で雪を集めてぎゅっと丸めた。

大きさが違う二つの雪玉をくっつければ、小さな小さな雪だるま。

小枝で手を作ってあげて、小石で表情をつけた。

ふと、素敵なことを思い付いて鞄の中から赤ペンを取り出した。

完成した雪だるまをベンチの上に置いて満足感に浸っていると、遠くから白い息を吐きながら歩いてくる彼の姿が見えた。

真っ白な風景の中に彼の赤い髪が鮮やかで、しゃんと背筋を伸ばして歩く姿はとても綺麗で、目を離すことができなかった。

「おはよう、。今日は早いね。」

「征くん、おはよ!雪積もってたから何か嬉しくなっちゃって…。」

「確かに。積もるなんて珍しいものだからね。…ところで今日は視線がやけに熱かったようだけど?」

さすが。その瞳には私が見とれてしまっているところがしっかり映っていたみたい。

「…白い雪景色に、征くんの赤い髪が映えて素敵だなと思ったの。」

「元々目立つ色だからね。…まぁになら言われて悪い気はしない。」

口許がほのかに緩む控え目な笑顔に、心がほっと暖かくなった。
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