第4章 真っ白な世界だからこそ*赤司*
眠い目を擦って、部屋のカーテンを開けるといつもと違う風景だった。
目に飛び込んだのは、ずっと遠くまで広がる白。
昨日は今年一番の寒さで、夜には雪が降るかもしれないってニュースで言っていたけれど、まさか積もるなんて!
いくつになっても、一面の銀世界には心がわくわくする。
彼との待ち合わせまで、まだ時間はあるけれど。
いつもなら寒くて寒くて布団の中に閉じ籠るのに。
部屋を飛び出し、朝の支度を手際よく済ませ、いつもより30分も早く玄関の扉を開けた。
ようやく陽が上り始めた朝7時。
まだ誰も汚していない白い地面を踏み締める快感ったらない。
雪が積もっているだけで、見慣れた風景がきらきら輝いて見えるのはどうしてなんだろう。
ちょっと雪に触ってみたり、写真を撮ったりしていたら、待ち合わせ場所に着いた頃には待ち合わせ20分前。
まだ時間あるなぁ…。
「そうだ!」