第3章 Happy New Year! 2014*黒子*
無事に神前までたどり着き、二人並んでお参りをした。
神様に今日のことを感謝して、少し早めに目を開けて横目で隣に視線を移した。
黒子くんの目を閉じてまるで何かを強く願っているような姿に、つい見とれてしまった。
「すみません…待たせてしまいましたね。行きましょうか。」
お参りを済ませた私たちは、また人混みの中を今度はとても自然に手を繋いで歩いた。
すると、私は人混みの中に頭一つ飛び出した集団を見つけた。
その中には見知ったクラスメイトの顔もあった。
教えてしまえば二人きりのこの時間は終わってしまう。
でも、元々黒子くんはバスケ部の人たちと初詣に来ていた。
彼女でも何でもない私が独り占めしていいはずない。
「黒子くん!あれ、火神くんじゃない?バスケ部の人たちかな?」
寂しい気持ちを抑えて伝えると、黒子くんは何故か思ったほど驚いていない。
「…そうですね。戻らないといけませんね…。でも、さんはどうするんですか?」
「私は大丈夫だよ。家も近いし。黒子くん、ありがとう。…楽しかった。」
夢の時間に幕が下りる。
あのまま時間が止まってくれればよかったのに。