第3章 Happy New Year! 2014*黒子*
二人で並んで歩けるなんて、想像すらしていなかった。
透き通る水色の髪に灯りが反射してきらきらしてる。
私の肩の位置より少し高い彼の肩に、意外と背が高いんだなって気付く。
凝視しないように、こっそり見てるつもりなのに、黒子くんは私の視線にすぐ気付く。
その度に浮かべる柔らかで儚げな笑顔に、胸がぎゅっとなる。
人がさっきよりも増えてきたみたいで、一瞬黒子くんの姿を見失ってしまった。
すぐに見つけると、咄嗟に服の裾を掴んでしまった。
黒子くんが目を丸くしていたので、我に返って急激に恥ずかしくなった。
「ご…ごめんね!つい…。」
すぐに手を離したけれど、顔に熱を帯びてきて、こんな顔見せられないと俯いた。
「いえ、大丈夫ですよ?…ちょっと混んできたので、失礼しますね。」
すると、黒子くんはそっと私が引っ込めていた手に触れて指先が包み込まれた。
これは夢?
私、好きな人と手を繋いでる。
白くて綺麗だと思っていた手は、意外にしっかりとしていてやっぱり男の子なんだと感じさせた。
さっきまで隣にいた彼はほんの少しだけ私の前を歩いていた。