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黒子のバスケ*Short Stories3

第26章 恋人初心者*日向*


今日は委員会があるから、教室で少し時間を潰すことにした。

すると誰もいない教室に誰かが飛び込んできた。

扉に目をやると、そこには練習着で息を切らした彼がいた。

「あれ?順平、どうしたの?」

「忘れ物しちまったんだよ。…お、あったあった。」

彼は机の中から携帯を取り出して、ポケットに突っ込んだ。

「、今日委員会か?」

「うん、そろそろ行こうかな。」

荷物を持って立ち上がった時、不意に彼と目が合った。

…誰もいないし、もしかしたら抱き締められたりキスされたりな少女漫画的展開になる?

そんな淡い期待も虚しく、彼はすぐに目を逸らして「じゃ、俺も部活行くわ」と先に教室を出ていった。

本当はもっと話したいし、もっと近付きたい。

そう思っているのは私だけなのかな。

「、何浮かない顔してるの?」

委員会の教室に行くと、後ろから声をかけられた。

「伊月くん…。」

「また日向絡み?」

順平と中学の時から付き合いがある伊月くんは、順平を介して話すようになって、今では良き相談者。

柔らかい雰囲気だからか、素直に本音が言えてしまう。

「…なんか付き合ってるのに、前と全然変わらないんだよね。たまに本当に私のこと好きなのかわからなくなる。」

「…日向はのことちゃんと好きだよ。」

「何でそういう風に思うの?」

「日向が毎日朝練終わった後に携帯見て、ニヤニヤしてるから。」

…順平がニヤニヤするとか、全然想像出来ないんですけど。

でもそれってまさか私のメール、とか?

「あいつあぁ見えてヘタレなんだよ、実は。手を出す勇気が出ないんじゃないかな。」

「…とはいっても、私から何かする勇気もないよ。」

「そうだよね…。まぁ、も少しでも本音を日向に伝えてみたら?それがきっかけになるかもしれないよ?」
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