• テキストサイズ

黒子のバスケ*Short Stories3

第23章 バレンタインイブは「おめでとう」*森山*


アメリカンな雰囲気のカフェで、私はこっそりケーキを出してもらうようにお願いをしていた。

お店の照明が落ちて、バースデーソングが流れた瞬間、彼のところにスポットライトが当たった。

そう。今日は彼の18回目の誕生日だった。

彼は切れ長の目をパチパチさせてびっくりしてくれた。

「…え?、お願いしてくれてたのか?」

「うん。…由孝、お誕生日おめでとう!」

他のお客さんからも拍手をもらって、彼は照れくさそうだったけれどすごく喜んでくれていた。

プレゼントしたマフラーもすぐに巻いて見せてくれて、すぐに自分が使っていたものから私があげたものに変えてくれた。

別れ際にぎゅっと抱き締められて、お互いどちらともなくキスをした。

唇が離れると、彼は耳元でこそりと囁いた。

「、ありがとう。…一番幸せな誕生日だった。」

細身に見えてバスケで鍛えられているしっかりした腕の感触。

顔の冷たさに反比例した唇の温もり。

一番近いところで聞こえた優しい声。

思い出せば出すほど、また私の鼓動は速くなる。

別れたばかりなのに、また会いたくなってしまう。
/ 266ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp