• テキストサイズ

黒子のバスケ*Short Stories3

第21章 届け、この想い*日向*


放課後の部活の後に、部員皆にチョコを配った。

皆嬉しそうにしてるし、食べても普通にしてるから一安心。

チョコを渡すタイミングを掴めず、結局日向の自主練が終わった後を狙うことにした。

日向と伊月が体育館を出た後に急いで着替えを済ませ、部室の前で一人待っていた。

すると先に中から日向が出てきた。

待って待って待って。

心の準備が…!

小さな葛藤を払拭して、日向に声をかけようとした。

「日向…あの……」

日向は私の手元に視線を落として、それから私の目を見ずに口を開いた。

「伊月ならまだ中にいるぞ。…それ、渡すなら行ってこいよ。」

日向の口から出た言葉に、心が凍りついた。

私が伊月のこと好きだと思ってるの?

一体どれだけ鈍感なのよ。

武将とバスケに心奪われてるから、乙女心がわからないんだ。

その言葉が出てくるってことは、私を好きではない。

「…私が好きなのは伊月じゃないよ。」

「…は?」

切なさと苛立ちが募り、私は持っていた箱を日向の胸に押し付けた。

「日向が好きなの!気付け、バカ!」

不意に涙が流れ、それを隠すように私は踵を返して走って昇降口へと向かった。
/ 266ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp