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黒子のバスケ*Short Stories3

第21章 届け、この想い*日向*


後ろを振り向くと、購買帰りと思われる日向と伊月が立っていた。

「な、何でもないよ!」

言えるわけないじゃない、あなたに告白できるか不安ですなんて。

「へぇ…。ま、別にいいけど。」

日向はそのまま私の横に座ってパンを頬張った。

こういう何気ない行動でもドキッとしてしまう。

するとリコが伊月の手にある綺麗な箱に目をつけた。

「伊月くん、それチョコ?」

「うん。さっきもらった。…はっ!チョコをちょこちょこ食べる…キタコレ!」

「伊月黙れ。」

「伊月は本当に黙ってれば格好いいのにね。勿体ないなぁ。」

伊月のダジャレに私がクスクス笑い、リコは呆れ顔して、日向は眉を寄せている。

この空気がとても好きだけれど、やっぱりこれだけには満足できない。

…やっぱり今日言おう。

チョコもらったのが伊月じゃなかったら、今頃私気が気じゃない。

「お前ら俺らにないのかよ、チョコ。」

日向が私とリコに手を差し出してきた。

「あぁ…、どうせならバスケ部皆がいる時にあげるよ。皆の分リコと作ったんだ。」

「…おい、俺らの腹は大丈夫か?」

「ちょっとそれどういう意味よ!」

不安そうな表情を浮かべる日向と伊月にリコが苛立って噛み付くので、私が間に入って宥めた。

「味見したから大丈夫!」

…皆とは別に、日向だけにはもう一つ用意してる。
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