第9章 再会
私は意識を取り戻した
ごほっ!ごほ、ごほ…っ!
落ち着いて視線を持ち上げると、そこには零くんがいた
(何で、ここに…それよりも…)
《やっと…見つけた…》
『また、助けられたんだ…』
思ったことが口から出てしまい慌てる
そして、零くんの言葉に疑問を持つ
(やっと見つけた?)
その事を聞こうとしたが言葉にならなかった
零くんに抱きしめられていたから
『えっと…どうしたんですか?
急に抱きしめられたら好きになっちゃうかもですよ〜』
私はおどけて声をかける
《会いたかった…碧…》
久しぶりに呼ばれた私の本当の名前
それを大好きな人が呼んでくれている
私も零くんの背中に腕をまわす
溢れてくる涙が止まらない
『ばか!見つけてくれるって言ったのに遅い!!』
《ごめん…》