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あなたを守るために

第9章 再会



ベルモットとの電話を切り、目的の場所についたので車を止める
こんな時間だから、誰もいない
真っ暗な海を眺める


(彼女は、僕のことを見つけているかな
僕は、いまだに見つけられていない)


《碧…君はどこにいるんだ?》


苦笑いが浮かぶ
あれから、色んな手を使って探しているが手がかりさえ見つからない
彼女のことを思い出していると、車が一台とまった


《こんな時間に、何の用だ》


じっと見ていると女性が降りてきた
暗くてよく見えないが、女性はヒールを脱ぎ海に向かって歩いていく
嫌な予感がする


(まさかな…)


波打ち際まで行っても足が止まらない
止まるどころか、そのまま海の中へ入っていった


『死ぬ気か!』


僕は、慌てて車から降り走って彼女の元へ向かう
走っている途中、彼女の姿が海の中へ消えた


『まずい!
間に合ってくれっ…!!』


砂浜を走り抜け、海へ入る
そのまま潜って彼女を探す


(いた!!)


沈んでいってるのを見つけ手を伸ばす
手を掴んだ時には、彼女の意識はなかった

彼女を抱きかかえ海から出る
浜に寝かせるが、意識が戻る気配はない


《失礼します》


一声かけ、顎をあげる
鼻をつまんで彼女の口に、自分の口を重ね息を吹きいれた
何度か、それを続けるうちに意識を取り戻し咳き込んだ


『ごほっ…!ごほ…ごほ……っ!』

《ふぅ、よかった》


咳き込んだ彼女は、涙目になりながら僕の存在を確認する
遠くからじゃ暗くて分からなかったが忘れるはずもない
青い髪に青い瞳


《やっと…見つけた……》

『また…助けられたんだ…』


僕の言葉と彼女の言葉が重なった



ー安室side終わりー


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