第6章 壊された休日
ドアの方を見ると黒ずくめの二人組の男が現れる
(しまった
ここまで来るとは思ってなかったわ)
子供たちと距離を取る
関係があると知られたら面倒だ
ウォッカ「やっと、見つけた」
『何しに来た』
ジン「言っただろう、仕事だ」
『あたしも無理だと言ったろ』
ジン「お前がいねぇと話にならねぇんだよ」
『はぁ?一人で自分の仕事もこなせないわ』
そこで言葉が切られる
ジン「バーボンじゃねぇか
こんなとこで何してやがる」
《バイトですよ
仕事はちゃんとしてるので気にしないでください》
ジン「好きにしろ、行くぞ」
ジンが銃を出そうとするより先に私が距離を詰め子供たちに見えないように銃を当てる
『あれ?まさかあたしを脅すつもり?
あんたがあたしの早さにかなうわけないのに』
その場にいた全員が固まり息をのむ
(とりあえずここを離れないと…)
『言われなくても行くわよ
あたしの運転手は?』
ウォッカ「そ、それがキールは別の仕事で来られなく…」
『お前に聞いてない
あたしはジンに聞いたんだよ』
ジン「ウォッカが言った通りだ、別の仕事に行ってる」
『そう
じゃあ、あんたが運転しな。ジン』
ジン「ふざけるな、運転ならウォッカが…」
『お前にしろって言ったんだよ
二度も同じこと言わせるな』
ジン「ちっ」
『行くなら早くして』
私は少し振り返って優しく言った
『ご馳走様、おいしかったよ』
あゆみ「おねーさ…」
あゆみちゃんの言葉を止めるようにしーっと指を当てる
そして、ジンたちに聞こえないように
『またね(ニコッ』
笑って店から出た