第2章 ※救済【サンカク。‐case3‐】※
答えはない。
言葉としての答えは。
でも、リエーフの眼が嬉しそうに笑っているから、なくても分かる。
枕から頭を上げて、再び私の真上にリエーフの顔。
すぐに焦点が合わないほど近付いて、今度こそ唇が重なる。
酒の匂いがする舌が唇の隙間をなぞり、躊躇無く口内に侵入してきた。
舌が絡み合い、互いの唾液が混ざる音が頭まで響く。
あまりに激しすぎて、呼吸が上手く繋げない。
苦しさから助けを求めるように、背中に腕を回してシャツを掴んだ。
その途端に唇が離れて、弧を描いたのが見える。
「積極的だな。早く触って欲しいのか?」
「ち、がっ、んっ!」
楽しそうな声掛けと共に、身体の側面を手が撫でながら下りていく。
くすぐったいような感触に敏感に反応して声が漏れた。
「違わねーだろ。俺に触って欲しがってんの分かるし。」
口先だけの否定なんか通用せず、シャツの裾を掴む大きな手。
「ばんざーいっ!」
ふざけた言葉を発しながら、シャツを脱がされる。
咄嗟に胸元を隠すように腕で覆ったけど、そんなものは無駄だった。
すぐに背中に回った手が簡単にホックを外して、緩んだブラが腕の隙間から引き抜かれる。
「恥ずかしがんなって。俺も脱いだら一緒だろ?」
人の下着をベッド下に放り投げ、いそいそとシャツを脱ぐ姿が見えた。