第2章 ※救済【サンカク。‐case3‐】※
別に、他の誰かに見せる予定はない身体。
だからって、別にリエーフのものになった訳ではない。
一晩だけの関係なのに、独占欲の証を残されても良いとか思えない。
「リエーフ、それ、やめて」
急激に冷静になって、胸元から引き離そうと肩を押した。
「別にいーだろ。俺が付けたいの!」
リエーフは、止めてくれるどころか、今度は胸に歯を立ててくる。
「いっ!ちょっと、なんで噛むの!」
「ゆえさんが、止めろとか言うからだろ?」
どうやら、意地になってしまったらしい。
チラりと見た胸には、歯形がくっきりと残っていた。
こんな事をされたら、普通は逃げたくなる。
それなのに、リエーフが私を求めているからこそ、だと思い込んで。
人に求められる事自体が久々過ぎた私は、それが嬉しくて。
「もう。分かったよ。リエーフの好きにして?」
全てを受け入れる事にした。
言葉を吐き出した瞬間、リエーフが笑う。
「じゃ、好きにするぞ?」
言うが早いか、胸の先端が口に含まれ、突起が舌で弾かれた。
「んっ、あっ!」
身体中に甘い痺れが広がっていく。
勝手に漏れる自分の声すらも甘く聞こえて、思考が、理性が、消えていった。