• テキストサイズ

【HQ】君を救う掌は…

第2章 ※救済【サンカク。‐case3‐】※


運ばれた先は勿論寝室で、大きめのベッドの上に下ろされる。
真上の、近くにあるのはリエーフの顔。
酒の所為なのか、潤んでいる瞳が更に近付いた。

だけど、キスをされる訳でもなく、真横の枕に沈む頭。
体は私の上に完全に乗っている。

「リエーフ、何のつもり?」

なんとか顔を向けると、至近距離で目が合って、胸が高鳴る。
これだけで、自分の方が期待しているのだと分かってしまった。

「泊まりって、ヤっていいってコトだと思ったんだけどな。」

けど、リエーフには、その気がないらしい。
この後に続く言葉は、きっと私が‘さくら’じゃないから、だ。

「夜久さんがさー、ヤるなら相手の意思は確かめろとか、メンドクサイ事言うんだ。」

違った。
別の人間の名前が出てきた。

これは、私にとって救いだ。

今、リエーフは‘さくら’の事を考えてないって事で。
どうやって、意思を確認すれば良いか分からないから、行為を進める事も、止める事も出来ないだけ。

「私は別に嫌じゃないよ?」

期待をしてしまった身体は、もう彼を求めている。
何をされても構わない。

私の意思として伝える。

「…リエーフは、どうしたい?」

そのまま言葉を続けて、選択権をリエーフに渡した。
/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp