第2章 ※救済【サンカク。‐case3‐】※
リエーフは、店で飲む時と、本当に何も変わらない雰囲気で。
家が散らかっているのも、異性と2人きりである事も、まるで気にしていないのが分かる。
私の方は、部屋の惨状も気になるし、他に誰もいない空間で彼女ナシと分かっている男と2人って状況に緊張して、あまり楽しく飲めなかった。
「ゆえさん、ゲームしましょう!負けたら一気飲みとか、どうだ?」
楽しんでいないのに気付いたのか、ただ単に私に飲ませたいだけなのか。
リエーフが、提案をしてきた。
テーブルの端に無造作に置かれていたトランプを取り、こっちの返答も待たずにカードを混ぜ始める。
「ババ抜きでいいだろ。昔、合宿の時とかたまにやってたんだ。」
しかも、勝手に何をやるかまで決めてきた。
あっと言う間に、分けたカードを目の前に置かれてしまって、拒否も出来ない。
仕方無く付き合おうと、カードを手に取った。
だけど、数字を見る前にカードをすぐに伏せる。
「リエーフ、まともなトランプは無いの?」
渡されたトランプが普通の物じゃなかったからだ。
アダルトグッズ屋とかのネタ商品として置かれてそうな代物。
様々な体位のイラストが描かれている物な上、エースとジョーカーは女性のセクシーな写真である。
こんなものを使いたい筈はない。
「ジョーカー持ってるからって、カードに文句言うなって。ほら、始めよ?」
それでも、相手は人の話を聞かない上に強引なリエーフ。
さっさと自分のカードの揃っている物を抜いて、始めようてしていた。