第2章 ※救済【サンカク。‐case3‐】※
最後の抵抗とばかりに、酒もつまみも選ばずにいたけど、流石に毎週一緒に飲んでいれば、私の好みは把握されていて。
遠慮すんなって、言いながらガッツリと家飲みの準備をされてしまう。
遠慮じゃなくて、家に行きたくないと気付いては貰えないまま、半ば引き摺られるようにして、リエーフ宅に着いてしまった。
そして、激しく後悔する。
「なんで、こんな部屋になってるのよ?」
思わず口から出る呆れた溜め息。
こんな状態の場所で、ゆっくり飲もうなんて気にはなれない。
前回来た時は、そこまで散らかって無かったのに、今回は酷い状況になっていた。
ワイシャツやらネクタイが、椅子の背に無造作に掛けられただけになっていたり…。
靴下が床に片方だけ落ちていたり…。
挙げ句の果てには、空き缶やら空のペットボトルが部屋の端に纏めてあるだけの状態で置かれている。
足の踏み場があるだけ、まだマシと言う惨状だった。
「リエーフ、飲む前に少し片付けよう。この部屋、落ち着かない。」
「俺が落ち着くからいーの。夜久さんみたいな事言うなって!あの人、勝手に片付けるから、物の場所分からなくなるんだよなー。」
提案をしても、本人は気にならないらしく、動く気配はない。
前回、まだ大丈夫だった謎は解けたけど、そこから始まるのは、よく聞く夜久さんの愚痴。
片付けさせて貰えないまま、相変わらずリエーフが喋り続けるだけの飲みが始まった。