第2章 ※救済【サンカク。‐case3‐】※
「なんか、ごめん。」
突然、私の口から出た言葉は謝罪だけ。
こっちの考えていた事なんか知る由もないリエーフは、当たり前のように首を傾けた。
「なんで謝ってんの?悪いのは店が休みになってる事だろ?」
店が休みなのは、悪い訳じゃない。
だからって、謝る理由を口にするのはリエーフを悪く思っていた事を暴露する事になる訳で。
言ったら言ったで喚かれる気しかしない。
「…で、この後どーする?他の店行く?」
どうしようか少し悩んだ私の思考なんか置いてきぼりで、リエーフが話を勝手に進めた。
こうなると、謝った理由云々の話なんか聞く訳もない。
いや、そもそもリエーフって男は人の話を聞くように出来てなかった。
「いや、今日は止めておこう?週末だから、どこのお店も混んでるだろうし。」
だから、話を戻すのは諦める事にして、お断りをする。
「じゃ、家ならいいだろ?混んでるとか関係ないし。」
だけど、都合の悪い部分は聞き逃す耳を持っているリエーフには通用せず…
「コンビニ…あ、まだデパ地下やってる時間だな!買い出し行って、早く帰ろ?」
「いや、ちょっ!今日は止めに…」
やっぱり、こっちの声なんか聞いていない感じで、私の手を引っ張って歩き出した。