第2章 ※救済【サンカク。‐case3‐】※
ただ、私のこの楽しみは、お店がやっている事を前提にしている訳で。
臨時休業という不測の事態が起きてしまうと、対処のしようがない。
毎週末一緒に飲んでいて不思議な事だけど、リエーフの連絡先すら知らないのだ。
店が休みだと伝える方法がない。
まぁ、それが起きてしまった訳だけど、
相変わらず、毎日のように通っている私は大将が教えてくれたから良いものの…。
リエーフが知らなかった場合、当たり前にやっているものとして店に来て、休みだと知ったら騒ぐんだろう。
しかも、店が休みだから仕方がないのに、私が週末の約束を破った事にされかねない。
家は知っていても、行ったところで居るとは限らないし、確実に会うには、店の前で待つ事だった。
来る時間は、大体いつも決まっている。
その頃に合わせて、店に行ってみると…
「すんませーん!いないですかー?」
何故か、店の扉を叩いているリエーフが居た。
「臨時休業だよ。貼り紙してあるでしょう?」
後ろから声を掛ける。
リエーフは、振り返るなり顔をパァッと明るくした。
「だって、ゆえさんと約束しただろ?会えなくて針千本は嫌だからな。」
自分が約束を破る方になると思っていたらしい。
私を悪者にすると思い込んでいた事を反省した。