第2章 ※救済【サンカク。‐case3‐】※
簡単に、一緒に暮らせば良いとか普通言う?
いや、リエーフは普通じゃないと断言できる。
だからこそ、本心からコレを言っているのだ。
ただ、私の生活を心配しているだけなのだ。
でも、心配して貰う理由も無ければ、
「実家があるわよ。だから、昨日だって帰ったでしょ?」
心配自体が、必要の無いものだ。
「親が破談の原因知らないから五月蝿いってくらいで、大した不便もしてないしね。」
酔った勢いで、余計な事まで口に出したけど、これで鍵は要らないと伝わっただろう。
「親がウルサイ?だったら、それこそ俺んトコに来ればいーだろ?」
余計な事は、本当に余計だったみたいで、鍵をお断りしているとは気付いてくれなかった。
「破談になったばっかで他の男と暮らしたら、もっと五月蝿くなるでしょ。だから無理。」
気持ちは嬉しいけど、そこを口に出したら粘られそうな気がする。
断固拒否の姿勢は崩せない。
「なら、親がウルサくて嫌だーって時とか逃げてくればいーじゃん。」
それでも、リエーフは譲ってくれなかった。
ここまでして、どうしても私に鍵を渡したいのは、心配以外の理由もきっとある。
多分だけど、
「リエーフ、もしかして1人になりたくないの?」
私も抱えてる淋しいって感情。
心配も嘘じゃないだろうけど、こっちの方が重要なんだろうと思った。