第2章 ※救済【サンカク。‐case3‐】※
えー、このコ、大丈夫なのかな。
昨日、これを返したのは、リボンが付いてなかったからだって思い込んでるの?
少し、いや、かなり、リエーフの頭が心配になる。
「…あの、さ。なんでリボンを付けたらプレゼントとして成り立つと思ったの?」
多分、返しても、また渡される。
それを繰り返すだけの不毛な展開になる予感がする。
だから、これで良いと思った理由を聞いた。
そこを否定してやれば、諦めると思ったからだ。
「だって、夜久さんが…」
また、夜久さんか。
恋人でもないのに、合鍵なんか受け取る訳がない、って言ってくれれば良かったのに。
あの人も、何考えてるんだよ。
まさか、大将と同じく私とリエーフをくっつけたいとか?
「プレゼントすんなら、その人の為に選んで、ちゃんとラッピングされたモンにしろって。」
いや、違った。
これは…渡そうとしたのが合鍵だって話してないやつだ。
「だから、俺がリボンも選んで、俺が結んだんだ。これでいいだろ?」
呆れるばかりの話で、頭痛までしてきた。
どうやったら、このおバカを納得させられるか分からない。
とにかく、良くはないと示す為に首を振って返したけど…。
「じゃ、どうしたら良いんだ?」
心底不思議そうにされてしまうだけだった。