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【HQ】君を救う掌は…

第2章 ※救済【サンカク。‐case3‐】※


予定外の2人きりの状態にされて、急激に緊張してくる。
でも、隣の男…リエーフは、こっちの心情お構い無しにグラスを私のグラスに当てて、強引な乾杯をしてきた。

それからは…。

「さっき帰ったの、夜久さんって言って、俺の先輩なんだけどさ…。
置いて帰るとかヒドイと思いません!?」

これで始まり…。

「大体、夜久さんは厳しすぎんだよ!この前だって、ちょっと取引先の人と飲みに行ってから戻るって話したらさー。戻って残りの仕事してからにしろ、とか言われたんだぜ。」

こんな感じの、寧ろリエーフが悪いよって言いたくなるような愚痴のオンパレードで…。

「お2人さん、そろそろ店閉めるよー。」

こうやって、大将に閉店を告げられるまで、話を続けてくれた。

会計を済ませて、店を出る。

リエーフの方は喋り続けてすっきりしたみたいだけど、私の方はぐったりだ。

すぐにでも帰りたくて、この場で解散しようとした。

…のに。

「俺ん家、近いんで。もう一杯どうだ?」

こんな事を言われて、有無を言わせてくれる暇もなく腕を引っ張られる。

リエーフは、近くのコンビニで、一杯じゃ済まされない大量のアルコール飲料を買い込んでいた。
その最中も帰りたいオーラを発してみたけど…。

「奢るからいーだろ?」

とか、的外れな事を言ってくる。
もう、何と言おうが無駄なのを悟って、諦め半分でついていった。
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