第1章 救済【サンカク。‐case1‐】
…と、言っても。
用事もないのに、私から連絡する事は出来ず。
赤葦くんからも、連絡は無いまま、また1週間程が経過。
部活で忙しいのは分かってるけど、折角の夏休みなんだから、友達だっていうなら1日くらい遊びたい。
部活の休みを聞いたら察してくれるかな。
【赤葦くんの部活って、夏休み中は毎日やってるの?】
自分に都合が良いように考えて、メッセージを送った。
【明日は休養日。大鳥、暇?】
数時間後に送られてきた返答に、数秒でイエスを答える。
赤葦くんの返事を待ち続けていたのが、モロバレだけど気にしない。
上手くいけば、明日会えるかも知れない事の方が重要だ。
【じゃあ、8時に学園近くの公園で。遅刻厳禁】
あっさりと私の望みは叶ったみたいだ。
話し合いもせずに、一方的に待ち合わせ場所も時間も決められたけど、無茶な事を言われた訳じゃないから突っ込まない。
【分かった。明日、楽しみにしてるね】
了解のメッセージを送ると、既読にはなったけど、それ以降の連絡は無かった。
まぁ、だらだら話すの苦手そうだもんなって納得は出来るし、こっちからも、しつこくは連絡しない。
だけど、もしかして2人きり?
それってデートなんじゃない?
とか、考え始めちゃって。
ドキドキして、夜は眠れなかった。