第1章 知られざる大罪
「ありがとうございました!」
「すまねぇな、ねーちゃん。金はちゃんと返すぜ!」
イヴェレット
「…?」
私に向かって頭を下げる女の子の隣で…彼女の飼い豚が言葉を喋った。
イヴェレット
「驚いた!どうして飼い豚が喋れるんだい」
喋る豚は、前足を片方上げて蹄で自身を指した。
「俺様がスゲェから!」
イヴェレット
「ほうほう」
自信満々な表情がなんとも愛らしい。
イヴェレット
「ああ、金の方は気にしなくて良いよ。奇珍な喋る豚を見れた事だし…見世物料と思えば安いもんだ」
「誰がミセモノだ‼︎あと俺は飼い豚じゃねえ!」
イヴェレット
「おや、違うのかい?それは失礼したね」
随分と強気な豚さんだ。
イヴェレット
「失礼ついでに、私はもう行くとするよ。君達も、気をつけて帰るんだよ」
「!まっ、待って下さい!」