第1章 知られざる大罪
「?」
「あ?何だお前。邪魔だ、どけ」
イヴェレット
「昼メシ代くらい、私が立て替えてやるさ。もう、彼女とその飼い豚は解放してあげたらどうだい」
ポンと男の肩に片手を置いて、もう片方の手で男に金を握らせる。
「!」
イヴェレット
「…それとも、“聖騎士”を呼ばれる程の騒ぎにしたいのかい?」
私が目を細めながら、男の目を見つめれば、
「チッ…」
男は金を持って去って行った。
イヴェレット
「十分な額を渡したから、文句は言って来ないだろう」
私は、女の子の方に顔を向けた。
驚いているのか、女の子は目をパチクリさせている。
イヴェレット
「もう安心して良いよ」
私が微笑んだ所で、漸く女の子は状況を理解したようにホッと息を吐いた。
怒鳴られた事がよっぽど怖かったらしい。