第3章 給仕と料理人
ミード
「エ、エルジェ…って……」
その名を聞いて、ミードの顔が青くなる。
イヴェレット
「『人食い鬼エルジェ』…君も知っているだろう?」
それは古い物語…ブリタニアに生まれた子供が、一度は読むであろう絵本に綴られる、恐怖の物語。
ミード
「あっ、あんなのただのおとぎ話だろ!大人が使う方便ってやつで…」
ブリタニアに住む人食い鬼エルジェは、毎夜毎夜街に降りては幼い子供を攫い、生きたまま食べるのだという……
イヴェレット
「オーグリス・エルジェ♪今日も街に降りて来て♪」
ミード
「ヒッ…‼︎」
イヴェレット
「オーグリス・エルジェ♪子分と共に降りて来て♪」
これは絵本と共に作られた、エルジェの唄だ。
イヴェレット
「オーグリス・エルジェ♪子供を攫って食べてしまう♪」
ゴトゴトッ!
ミード
「Σギャアァァ‼︎(ガシィッ」
歌い終わりと同時に空のビンを投げて、物音を立ててやれば、ミードは悲鳴を上げて私にしがみ付いて来た。
私が再度帰るよう言うと、ミードはコクコクと頷いたとさ、めでたしめでたし。←