第2章 聖騎士の剣
未だ抜けずの剣を、村の男衆は必死に抜こうとしている。
ホーク
「なぁ、イヴェレットよー」
イヴェレット
「何だい、ホーク団長?」
エリザベス王女と一緒に戻らなかったホークは、必死な村人達を見ながら言った。
ホーク
「おめー、聖騎士の師匠だったんだろ?あの剣抜けるんじゃねえのか?」
何とかしてやりたいと思ってるのか、優しいねぇ…
イヴェレット
「勿論抜けるが、抜かないよ」
ホーク
「?何で?」
イヴェレット
「やりたくないからさ」
ホーク
「だから何でだよ!助けれるんなら、助けてやれば良いじゃねーか!」
イヴェレット
「助けてやる理由なんて無いだろう?今の私は、剣術師でもなければ聖騎士でもない、ただの大罪人だ。メリオダスや王女様が何かするのは止めないが、私から何かするつもりは無いよ」
こんな村が廃れようが、私にとってはどうでも良い。
イヴェレット
「それに……私は、子供を虐める奴が大嫌いでね」
ホーク
「それは…分からなくもねえけどよー…」
何度も剣の方を見やるホークの隣で、私は暇から来る欠伸を噛み殺した。