第1章 知られざる大罪
〜イヴェレット side〜
立ち寄った小さな街
イヴェレット
「オーグリス・エルジェ♪今日も街に降りて来て♩」
その通りを私は、“歌いながら”歩いていた。
「ご、ごめんなさい‼︎」
「まさか人のモンだったとは…」
「ごめんで済むか‼︎俺の昼メシ勝手に食いやがって!」
前方が何やら騒がしい。
イヴェレット
「オーグリス・エルジェ♪子分と共に降りて来て♩」
一人の若い女の子と一頭の豚。
ガラの悪い男が、彼女達に唾を飛ばしながら怒鳴っている。
イヴェレット
「オーグリス・エルジェ♪」
昼メシどうこう言ってるけれど、明らかに男の狙いは女の子自身…下卑た目を見れば一目瞭然。
イヴェレット
「子供を攫って食べてしまう♫」
歌い終わったと同時に、私は男と女の子の間で立ち止まった。