第2章 聖騎士の剣
店から出、私達はバーニャの村に入った。
イヴェレット
「いや〜、まさか店が巨大な母豚の背に建っていて、母豚に運んで貰う事で移動していたとは…」
メリオダス
「ホークママな」
ホークが人語を喋るのと同じくらい驚いた。
ホーク
「どうだ!おっ母はスゲェだろ」
イヴェレット
「ああ凄い。店の酒瓶は一本も倒れてなかったしねぇ」
ホークを先頭に村に向かって歩き、直ぐに橋に差し掛かる。
メリオダス
「店の酒は、色んな土地で仕入れてるんだ」
エリザベス
「そうなんですか?」
メリオダス
「ここにも数年に一回来るけど、バーニャの酒は別格なんだぜ。ブリタニア屈指と謳われる名水と、その川辺に群生するグルートから造るバーニャエールは、ブリタニア各地にファンが居るんだ!」
流石マスター殿は詳しい事で。
ホーク
「…って、名水がスッカラカンじゃんよ…どした?」
ホークの言葉に橋下を覗くと、水がある筈の川は枯渇してしまっていた。
エリザベス
「川辺のハーブも枯れかけてますね…」
イヴェレット
「干ばつは自然現象なら仕方ないにしても、グルートを枯らすのはおかしくないかい?村の誰も、水をやりに来ていないという事だろう?」