第1章 知られざる大罪
エリザベス
「吸血鬼…⁉︎」
イヴェレット様の言葉が、あまりに信じ難いもので…理解するのに時間がかかってしまいました。
エリザベス
「リオネスの友邦・エジンバラを一夜にして滅ぼした…あの…」
3000年以上前は、魔神族と結託し他種族を脅かしていたと伝えられる…危険な種族。
吸血鬼は他種族の血を糧として生き…餌食となった人をも吸血鬼に変えてしまうとか…
エリザベス
「あれ?でも…エジンバラが滅ぼされたのは、〈七つの大罪〉が結成された後の事だったと…」
当時の私はまだ幼く、全ては聞いただけの話ですが…
イヴェレット
「ん、貴女の言う通り…私は、エジンバラを滅ぼした奴らとは別口だよ。あの時も、七つの大罪として同族と戦ったしねぇ……だが、」
エリザベス
「⁉︎」
気付いた時には、私の目の前にイヴェレット様が立っていました。
それは一瞬の出来事で、私は声も出せなくて…ただ、イヴェレット様の顔を見る事しか…
イヴェレット
「血に狂っている事においては、私も奴らと同じだ」
イヴェレット様は、冷たく笑う。
とても…恐ろしく感じました。