第1章 知られざる大罪
制服から寝巻に着替えた私は、ソファを振り向いてイヴェレット様を見た。
…聞いてみても良いでしょうか…
エリザベス
「あの、イヴェレット様…」
イヴェレット
「何だい、王女様?」
エリザベス
「イヴェレット様は、その……」
イヴェレット様の黒色の瞳は、見つめられるとこちらを見透かされているようで…少し、緊張してしまいます。
エリザベス
「な、何か、病気にかかられているのですか?」
あ…思わず、違う質問を…
イヴェレット
「え?……あぁ、さっきの話を聞いていたんだね」
イヴェレット様は体を起こし、ソファの上に座り直して、再度こちらに目を向けられました。
イヴェレット
「今から話す事は、驚かずに聞いて欲しいんだが…」
エリザベス
「は、はい、分かりました」
イヴェレット
「では話そう。先ず…」
私は緊張しながら、イヴェレット様の言葉を待つ。
イヴェレット
「私は、人間ではなく──吸血鬼だ」