第1章 知られざる大罪
〜エリザベス side〜
イヴェレット様と出会った日の夜──
エリザベス
「ホークちゃん、おやすみなさい」
ホーク
「おやすみ、エリザベスちゃん!」
ホークちゃんと「おやすみ」を言い合った後、私は3階を目指して階段を登った。
豚の帽子亭の3階は、メリオダス様の厚意で使わせて頂いている、私の寝室……今日からイヴェレット様も使われます。
私が部屋の扉を開けようとした時、中から話し声が聞こえて来ました。
メリオダス
「お前が酔うなんて珍しいな」
イヴェレット
「そうだねぇ…」
ワインを飲み過ぎてしまったイヴェレット様を、メリオダス様が連れて行かれたのでした…では、メリオダス様にもおやすみの挨拶を──
イヴェレット
「君に会えた嬉しさから、つい飲み過ぎてしまったよ」
エリザベス
「!」
イヴェレット様の言葉に、思わず開きかけたドアを途中で止めてしまいました。
その隙間から見えるのは、ソファに横たわったイヴェレット様と傍に立つメリオダス様の姿。
見つめ合っているお二人の様子は……何故か、見ていて胸の中がモヤモヤとした気分になりました。