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【ヒロアカ】ヒーローなのに。【R18】

第2章 夢幻


「かっちゃん!!」

怒気を孕んだ声で部屋のドアを乱暴に開けたのはヒーローデクこと緑谷出久だった。『かっちゃん』と呼ばれた本人爆豪勝己は、気怠そうに持っていたミネラルウォーターを飲み干す。

「うっせぇよデク……頭に響く」

凡そ普段の彼からは予想も出来ないような低く小さな声で緑谷に応えた爆豪は、律儀にペットボトルを片手で潰してゴミ箱に放り投げた。

「スミレちゃんはどこにっ……!!」

言いながらベッドで横たわるスミレを見つけた緑谷は、今ここで何が行われていたかを瞬時に理解した。ベッドの脇には脱ぎ散らかされたスミレの洋服が落ちている事に加えて爆豪もパンイチである。状況証拠が揃っている事を確認した緑谷は、怒りでわなわなと震えながら爆豪に向き直った。

「酷いよかっちゃん!スミレちゃんは僕が連れてきたんだから一番初めに抱くのは僕だろ!!」

てっきり未成年を襲った事に対するお説教かと思いきや、緑谷は到底的はずれな事で怒り出した。ギャーギャーと早口で捲し立てる緑谷の言葉を右耳から左耳にスルーして、爆豪は落ちていたジーパンを拾って履き直す。

「大体君が初めてなんて鬼畜すぎるんだ。どうせスミレちゃんの事なんか考えずにガンガン突きまくったんだろ?君は遅漏だからね。彼女の体力も考えずに馬鹿の一つ覚えみたいに腰を振って…」

ここまでノンブレスで言い切った緑谷に対して流石に血管が切れたのか、両手を軽く爆破させながら緑谷に詰め寄る爆豪。学生の頃、特に高校一年生の時までは、こんな風に自分に突っかかってくる事も無かったのに、今では爆豪の母親よりもお小言を言われるまでになってしまった。世間では仲が悪いと言われているが、喧嘩するほど……というヤツではないだろうか。

「兎に角出てってよ!僕がお風呂に入れるから!」

「はぁ?んなモン起きた時に放り込んどきゃいいだろーが!」

「君と交わった後で正常に立てる人なんていないんだよ!」

「加えてスミレちゃんはまだ処女だったのに……」とスミレに近付いて頭を撫でる緑谷。何処からその情報を得たのかは謎であるが、今は完全に爆豪が悪者である。腑に落ちない怒りを感じながらも、爆豪はスミレを緑谷に任せる事にした。
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