第2章 夢幻
漸く全てがナカに収まった時、もうそこに痛みはなかった。代わりに、少し動く度に意識がぶっ飛びそうなくらいの快感に襲われる。不幸な事に、爆心地はそんな私の事を微塵も考えず、引き抜いた欲棒を一気に奥へ突き刺した。
「んんんんんんんっ!!!!」
先程とは比べ物にならない絶頂を迎える。嬌声を上げることが恥ずかしく咄嗟に閉じた口からは、くぐもった声が溢れ出た。目の前がチカチカして頭がぼうっとする。微睡みの中に意識を手放そうとした瞬間、今度は奥を抉られ身体が跳ねる。
「おいっ…テメェ一人だけでっ……満足してんじゃねぇっ……」
「あっ……やっ、んんっ……」
細かい律動を繰り返しながら尚も質量を増す爆心地のそれは、私の弱い箇所を的確に攻めてくる。結合部分から漏れる卑猥な水音と乱れる男女の熱い呼気は官能的だが、そんな状況に酔いしれる余裕はない。
「ふぁっ…あっ…やっ……」
抽送を続ける爆心地の巨根は、中々その欲を吐き出さない。さっきから達しているのは私だけで、もう何度目かも分からない絶頂を迎えたと同時に、遂に爆心地のモノが中で脈打ったのが分かった。
「やっと終わった」、そんな感想を抱きながら、私は意識を手放した。
スミレが疲れて眠ってしまった後、爆心地こと爆豪勝己は吐き出した己の欲を片付け、少女の拘束を解いて布団を掛けてやった。流石にまだ未成年の学生に対して無理矢理は厳しかったか、と反省の色を滲ませ……る様子は微塵もなく、次の行為の日頃を考える程彼女に溺れていた。
と言うのも、スミレの嗜虐心を煽られるような言動に爆豪自身ハマっていたからだ。これまで抱いた女は数知れずの彼。しかし、誰も皆行為中の爆豪に反抗的な者はいなかった。寧ろ喜んで抱かれ、強引な行為にも積極的であった。
それがどうだ。あの少女は行為に及ぶ前も後も、自分に反抗的な態度を取っていた。その態度が快楽に溺れた顔に変わった瞬間、爆豪の心は異様なまでに満たされたのだ。
「おもしれぇ……」
一人ごちて、気持ちよさそうに眠るスミレの髪を掬う。サラサラと零れ落ちる髪の束を優しく梳きながら、触れるだけのキスを落とした。