第2章 Prelude
「手を合わせてっ、せーのっ」
「「「いただきまーす!!」」」
その後急いで夕食の支度をし、やっと落ち着いて食卓に着くことが出来た。
急拵えのシチューだけれど、野菜を細かめに切ったから味は十分に染みている。
何より、育ち盛りの皆にお肉を食べさせてあげることが最優先だった…ほろほろのお肉に自画自賛しながら、自分の分をどんどん平らげていく。
テーブルの真ん中に置いておいたパンも、あっという間に無くなった。
「ごちそうさまーっ!」
「こら、食べた皿は自分で洗え、アラタ。
ちびの分も洗ってやれよな」
「わかってるよー、今やろうとしてたとこだろ!」
皆の面倒を見てくれる、シンはすっかりいつも通りだ。
ぼんやりとそんな様子を眺めていたら、おちびさんがやって来て、私の膝によじ登りよいしょ、と座った。
「どうしたの?ちびくん」
「、今日はいつまでいるの?」
「…そうだなぁ、そろそろ帰らないと」
その言葉に、年少の子達がわらわらと集まってくる。
「、泊まっていったらいいじゃない!」
「おれ、といっしょにねたいよ」
毎回、このやりとりには胸が苦しくなる。
困ってシンの方をチラリ、と見ると、呆れたような表情で皿洗いの手を止め、こちらへとやって来てくれた。
「こら、を困らせるなよ。
明日も仕事なんだから、帰るに決まってるだろ」