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神殺し事件が起き日からーー

第1章 死神と会った日……


「あ、このガキお前さんの連れか!」そう言っておじさんは私の方を見て「いや~すまんかったわい。アールの連れだとは~」と頭の後ろを掻きながら私に謝った。
「い、いえ!こちらこそ、すいません。」私は慌てて頭を下げながら謝った。
「いや~まさか、あの誰も近寄らせないアールがお前さんみたいなガキを側に置くとはな~カッカッカッ」そう言っておじさんは口を大きく開けて笑い始めた。
「あ~ヒヨッコ改めて、この人は漁師をやっているまぁ、おっちゃんさ」アールはおじさんの肩に手を置いて私におじさんを紹介してくれた。
私はアールを引っ張っておじさんには聞こえないくらいの小さな声で質問した「あのおじさんはアールが〈死神〉だってこと知ってるの?!」
「ん、知ってるよ。」と表情一つ変えずに私に答えこう言った、「おっちゃんはボクの《神殺し》を手伝ってくれてるんだよ?」
「あのおじさんが?!なんで!」アールの肩を前後に揺らしながら聞いた。
「ちょっ、酔うから揺さぶらないでくれないかい?…実はさ、あのおっちゃん神を嫌ってるんだ。だから、神がいる所まで船で連れてってくれるんだ。」アールの意外な答えに私は手を止めておじさんの方に顔を向けた。

「…なんで、嫌っているのかアールは知ってるの?」聞きたくはなかった…でも、聞いてしまった…
「おっちゃん…娘がいたんだよ…その娘は波乗りが好きでさ、よく海でやってたらしくて…それがある日…〈オーケアノス〉がどうやらムシャクシャしてたらしくてさ、波が強かったんだよ。それにもかかわらず娘さんは波乗りしてたんだ…そしたらーー。」アールは話を止めた…
「そしたら?」私が続きを聞くとアールは首を横に振ってこう言った…
「でかい波が娘さんを襲って…転倒し…水から顔を出そうと頑張ってもがいていたけど…なかなか出られずに…溺死した。」アールは話終えるとおじさんの方に歩き出した。
おじさんが神殺しに協力している理由が分かって私は少し唖然としていた。
「お~い、ヒヨッコ~さっさとしろ~〈オーケアノス〉の神殿に行くぞ~」アールの声がして私はハッとして走り出した。

「若いのお前さんはなんで〈死神、アール〉と一緒に旅をしているんだい?」おじさんは舵を取りながら私に質問をしてきた「やっぱり、お前さんも神を恨んでいるからかい?」
「ううん。」私は首を横に振って答えたーー。
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