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神殺し事件が起き日からーー

第6章 別れ…


アール side…

〈オネイロス〉の神殿が崩れていく…ボクは慌ててヒヨッコを担いでベランダの方に走っていく。
「ヒヨッコ…元気でな!」ボクはヒヨッコをベランダから投げ放った。 「アールゥゥ!!」ヒヨッコの声が遠のいていく。
「さて…〈オネイロス〉眼は貰っていくぞ…」死んでいる〈オネイロス〉の眼だけを貰うと神殿が完全に崩れた。

ーあぁ…身体のあちこちに瓦礫が刺さってる…血が止まらねぇ……そんなことを考えながら影で瓦礫を一個ずつ抜いていく。
「はぁ…仕方ない…あいつのとこ行くか…」ボクは瓦礫を抜き終えると影の中に吸い込まれていく。

闇の世界に再び来た。
「お!アールさんじゃねぇか!どうした…っておいおい…血まみれかよ…治らねぇのかその傷は?」スレイブがボクにタオルを持ってきてくれた。
「悪い…色々とやりすぎて…」血を拭き取りながら今までの出来事を話していく。
「あ~そういやぁあのガキンチョ〈ゼウス〉に攫われたんだってな…」スレイブのセリフに驚いて目を見開いてしまった…何故彼が知っている…闇の世界から出たことの無いスレイブが…ボクはスレイブを怪しみだした。
「あ、なんで知ってるか気になるのけ?占い師が教えてくれたんだよ」なんだ…占い師か…それなら納得が行く。
「てか、〈ゼウス〉?!嘘だろ?」スレイブに質問した…でも、セノは首を振っていた。
ー迎えに行かなきゃ…ヒヨッコを…あいつから絶対に取り返さなくちゃならねぇ…
ボクは立ち上がって…

「スレイブ…ボクの左眼まだある?」

スレイブがボクの左眼が入っている箱を持ってきた。
「これを…どうするんだ?」スレイブが恐る恐る聞いてきた。
「元の場所に戻す…」そう言ってボクは目玉の無い左眼を開けた。
左眼は真っ黒い空洞になっている…その空洞を見たスレイブは「ヒイッ!」と言う小さな悲鳴をあげた。
ボクは左眼を取りその左の空洞に入れた…いままで左眼が無かったせいか…左眼が入った途端激痛が走った…
「っ…?!痛覚は…無いはずなのに…」ボクは左眼を抑えながら膝を床についていた。
「アールさん大丈夫か?!」スレイブがボクの顔を覗き込む。
「アールさん…眼が…赫眼に…」スレイブが驚いている。
それもそのはずだ…これは人間界で言うとこの〔喰種〕の眼をしているからだ。
「隻眼になってるのか?」ボクの左眼は…黒と赤の赫眼になっている…
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