第1章 死神と会った日……
「なんの復讐?」アールは私の前に座った。マントと面を外しているからか髪の毛と眼の色に少し私は驚いた、《白髪赤眼族》だからだ…大昔に滅んだはずじゃ…っと息を呑んでいるとーー
「ボクは〈ゼウス〉のせいで人間じゃなくなった…そして、歳もとらないし死ねない…色んな人が目の前で死んでいくのを見てきた…その死んでいく人達は全員ボクと関わった人達さ…そして、〈ゼウス〉がボクを〈死神〉にした理由は…」そう言ってアールは自分の腕を強く握りこう言った…
「ボクが《白髪赤眼族》だからだ…何十年も前に戦の戦士として育てられた、その頃はまだ《白髪赤眼族》は結構生きていたでも、ある戦に出た時だ…〈ゼウス〉が突然現れボクの…《白髪赤眼族》を全員焼き殺した…その中でボクだけは生き残ったそれを見た〈ゼウス〉はこう言った…『我の裁きで生き残れたとは…主が気に入った、神の力と座をやろう。』とボクに言ってきた…それで〈ゼウス〉がボクに与えた神の力と座は…」
「死神…って訳ですか?」ハッとして私は咄嗟に自分の口に手を当てた。それを見たアールは少し驚いていたがすぐに笑顔を見せこう言った「そうだね、その通りだよ」と私に言った。
「アールは…それが理由で神々に復讐しに来たわけ?」そうアールに問うとアールは「まぁ、そうなるね。」と答えた「だ、だったら!その〈ゼウス〉って神だけ殺ればいいじゃないの?なんで他の神も殺すのさ!」私は思いついたことを口にしていた…「まぁ、そうなんだけどさ…ほかの神が邪魔しに来たらたまったもんじゃないからね~」とアールは目を細めながらニヤッと笑った。
その笑顔はとても…不気味に見えたーー。
チュンチュン 鳥の鳴き声が耳に入る。
「ん…アール~もう、朝なの?」寝ぼけながら身体を起こす。「あれ?アール?」周りを見回しているとアールの姿はどこにもなかった。咄嗟に私は荷物を手に取り駆け出す。アール、アールはどこに!そう考えながら走っていると…突然目の前に長い白髪の人の後ろ姿が目に飛び込んだ。アールだ!
「あ、ヒヨッコおはよう」黒いレザースーツを身につけて私の方を振り向く。
「おはようございます…って!ヒヨッコはやめてください!」そう言うとアールは歯を見せながら笑った。
「今日はマントと面は付けないんですか?」アールの隣を歩きながら私は質問した。
「殺る時だけ付けるんだ~」と私に答えてくれた。