第3章 闇の世界
あれ?…これって~ボクは店の中を見回しているうちにちょっと懐かしい物に手を伸ばしていた。
…ハハッ、懐かしいな~まさか、スレイブが持っていたなんてな~…ボクはマジマジとそれを見ていた。
「アールさん気づいたんだな…」紋章消しをしながらスレイブはボクを見ていた。
「あぁ…君が持っていたことは驚いたけど…」ボクはそれを手にしてスレイブの方に歩いた…
「ボクの左眼を飾るなんて君もなかなかの悪趣味だな…スレイブ」ボクはスレイブの前で足を止めた。
「お前が自分で抉り出した眼だろアールさん…」〈タナトス〉の紋章にボクの血を流すスレイブ。
「ボクの《神器》にできたか?」ボクはスレイブに聞いた。
「出来たぜ…ほら。」スレイブはボクに《神器・鎌》を渡してきた。
…紋章のあった所にはボクの物だと言う紋章が上書きされている。
「ありがとうな…スレイブ!」ボクは軽く微笑んだ。
「で、スレイブ…ボクの左眼をどうして君が持っているんだい?」ボクは椅子に座りながらスレイブを軽く睨んだ。
…ボクはちょっと昔に自分の左眼が見えなくなったことがあって、自分で自分の左眼を抉り出して売り払った…《白髪赤眼族》の瞳はペイナイト鉱石の様に綺麗だったため高値で売れるし欲しがる人間も多かった…今は影と前髪で左眼を隠している。
「実はお前の左眼を買った人間が死んじまったから俺が改めて買い取ったのさ…アールさんの左眼綺麗だから一生の宝だよ…」スレイブはボクの左眼を見ながら優しい顔でそう言った。
「スレイブ…君もしかして~ボクのこと好きな感じ?」ボクは少しニヤリと笑って聞いた。
「ち、違う!俺はアールさんよりかなり歳下だし~性別不明な奴に惚れませんし~」スレイブは目を泳がせながら話す。
…バレバレだよ、スレイブw ボクは内心笑いながらスレイブを見ていた。
スレイブはすぐ顔に出るから分かるな~スレイブがたまに羨ましいな…ボクは表情をすぐ顔に出したりできないからな~ボクはスレイブと目が合った。
「あ、アールさんはまだ人間界に戻らないのか?」少し顔を赤くしながらスレイブは聞いてきた。
「帰らないな~今日は泊めてくれ~」ボクはあくびしながら喋った。
「あ、あぁ…構わないけどさ、アールさんの人間は心配してるんじゃ?」スレイブは少し心配そうにボクを見た。
「いいから、今日は泊めろ!」ボクは少し声を張ってスレイブに言った。