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神殺し事件が起き日からーー

第2章 オーケアノスの神殿


「五月蝿いなぁ~ヒヨッコ…」砂煙の向こうからアールの姿と声がした…良かった、アールは〈イーリス〉の攻撃をかわせたのか!と私は心の中で安心していた。
「死神ぃ!貴方の息は今ここでぇ!」凶変した〈イーリス〉が叫びながら再び攻撃をする。
ジャキッ アールが《鎌》を自分の影に戻すと影から別の何かを取り出す、「は…な、ん…」私は目を丸くしてアールが影から取り出したものを見た…《巨大チェーンソー》どう考えても《神器》ではない…私は唾を飲んだ。

「そんな武器を取り出して、私に勝てると思っているのかしら?」笑い混じりの声で喋る〈イーリス〉。
「アハハ…殺れるから取り出したんだよ…つまり…ボクは君を潰すのさ…〈虹の女神、イーリス〉」不気味に笑いながら〈イーリス〉を煽るアール。
「今ここで惨めに死ね!死神ぃぃ!」攻撃をしながら叫ぶ〈イーリス〉
バッ 〈イーリス〉の真上にジャンプしたかと思うと〈イーリス〉の頭を鷲掴みにし床に倒して《巨大チェーンソー》を〈イーリス〉の首ギリギリに当てる…すごい!私は口を開けたまま驚いていた。

チュイィン 《巨大チェーンソー》が動き出す。
「さぁ~〈イーリス〉答えてもらおうか~」アールが口を開く。
「ヒィッ!お、お願い!何でも、答えるから!殺さないで!」死を前にした〈イーリス〉が涙を流しながら命乞いをし始める。
神でも、死を前にするとこうなるのだろうか…アールの真横で私はその光景を見ていた。
「ボクが聞きたいのは〈オーケアノス〉はなんでボクがここに来ることを知っているのか…だ」《巨大チェーンソー》を更に〈イーリス〉の首ギリギリに寄せる。
「〈ゼウス〉様がおじいちゃんにテレパシーで話してるのを聞いたからよ!貴方がここに来るのは【オリュンポス】への道だからよ!」叫ぶ様に喋り出す〈イーリス〉
「あ~【オリュンポス】への道なのは確かだね~〈ゼウス〉とテレパシーで話すのは初耳だな~ま、情報ありがとう!」そう言ってアールの表情はパァーっと明るくなった。
「み、見逃してくれるの?…ハッ」涙目の〈イーリス〉がさっきまで明るい表情だったアールを見るとそのままの顔で凍りついた。
「何言ってんの〈イーリス〉…ボクが見逃す?」そう言ってアールの顔にあの不気味な笑が蘇る「馬鹿なの?ボクは慈悲がない〈死神〉だよ?」そう言ってアールは《巨大チェーンソー》を振りかぶる。
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