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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第5章 【SS】武装探偵社入社試験


「この失踪は催眠術によるものだろう」

治ちゃんは記録を読み上げた後、確信のある声で言った。

「被害者達の年齢、皆十五歳以下だ。
たぶん、十五歳以下にのみかけることのできる催眠術だ」

「犯人は異能者と云うことか」

治ちゃんは黙って頷いた。

「だが、太宰。一つ可笑しいぞ。
萩原は十九歳だろ」

治ちゃんは暫く何も答えずに、考えていた。

「……一つ心当たりがある。
葉琉は、精神的には十九歳だが
身体はまだ十五歳くらいなんだ」

国木田君は目を見開いた。

「如何云うことだ?」

「異能力の代償だ。
今は使えないが、葉琉はとても大きな力を使うことができる。
その力の代償だ」

「そんなこと…聞いたことないぞ。
……厭、能力は人によって様々、か。
より大きな力には、代償が伴うことがあっても可笑しくない」

国木田君は少し考えたが、納得したようだった。

「ならば、急がねばならんな。
どの事件も四〜五人の失踪者で終わっている。
萩原が四人目の失踪者なら
これが最後の犯行の可能性もある」

「犯人についてだけど……」

治ちゃんは別の資料を取り出した。

「これはある人の記録」

国木田君はその記録をみて言葉を失った。
その人は各地を転々と移動し、
その移動先で毎回、同じ仕事をしていた。
その移動先は、丁度事件が起こるときと重なっていた。

「この男が…」

そこには、小児科医の阿部慎也の名前があった。
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