第15章 DEAD APPLE
そこへ、聞きなれた声が聞こえて来る。
「くぉらぁぁあああ!生きとったか、この唐変木!」
振り向いて見れば声の主である国木田をはじめ、武装探偵社の面々が揃っていた。
「!」
太宰に抱えられる葉琉と、血塗れで横たわる葉月に一同は目を見開いた。
「二人共一命は取り留めてますよ。与謝野女医、葉月ちゃんを看て欲しいのですが、お願いできますか?」
太宰の言葉で与謝野は、はぁ、と髪をかきあげ横たわる葉月の治療を行う。
太宰は葉琉を敦に預け、ポケットから端末を取り出しそそくさと離れていった。
与謝野が葉月の応急手当を終え、葉琉を抱えた敦と鏡花、変わらない国木田と何故か疲れている谷崎、ニコニコと笑っている賢治に黙ってことの成り行きを見守っていた社長、治療を終えた与謝野といつの間にか戻ってきていた太宰は葉月を連れて探偵社へ戻った。
社に戻って程なく、広津が葉月を迎えに探偵社に赴き、太宰から事の次第を聞いて葉月と共に去っていった。
葉琉が目を覚ましたのは太陽が傾き始めた頃だった。