第5章 【SS】武装探偵社入社試験
治ちゃんに連れられて
探偵社の社長室に通された。
「社長、彼女がもう一人の種田センセイの推薦した人物です」
「失礼します」
社長室に入ると
和服を着た男性が座っていた。
(……この人強い)
私は直感で判断した。
「初めまして、萩原葉琉と言います」
自己紹介を述べてすぐ、
後ろから眼鏡をかけた男性が入って来た。
「失礼します。社長。
……次は彼女ですか」
その眼鏡の男は、鋭い目付きで私を見ていた。
「初めまして、萩原葉琉です」
改めて、眼鏡の男性に名乗る。
「国木田君!そんなに葉琉を睨まないでくれ給え。
恐がっているではないか」
治ちゃんは私を抱き寄せた。
国木田…と呼ばれた男は
社長に向き直った。
「社長、太宰は自分の女を連れ込んだだけなのではないでしょうか?
彼女に仕事が務まるとは思えません。
それに、どう見てもまだ高校生にもなっていない子供でしょう」
「失礼ですが!私は一九歳です!」
私は声を荒げてしまった。
驚きの表情で此方をみる国木田君。口が閉じていない。
「うむ……確かに十九歳と聞いている」
社長が国木田君に伝えた。
「それに、彼女もまた種田先生からの推薦だ」
更に驚いている国木田君。
治ちゃんは壁に手をついて笑っていた。
「国木田。お前に彼女の教育を任せたい」
「俺が…ですか?
太宰も見ながら彼女もですか?」
「太宰には暫くは社内での仕事を頼みたい。
国木田は萩原と行動して欲しい」
国木田君は少し考えてから「わかりました」と答えた。