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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第4章 黒の時代(終章)


静かにバルコニーに降り立った。

治ちゃんは「待ってるよ」と言い
私だけが窓を開けて中に入った。

真っ暗な部屋
其処には少し疲れた表情の姉が立っていた。

「…………葉琉」

葉月は驚いた表情で私を見た。

「…どうやってこに?
周りには見張りがいたはずだよ!?」

そして、何かに気がついた様に私を引っ張り窓から離した。

「大丈夫だよ。
治ちゃんが狙撃手の位置と見張りの位置を割り出して
もう無効化してるから」

私は葉月を安心させようと微笑んだ。
そして、ここにきた目的のを告げた。

「葉月。一緒に行こう。
織田作はミミックの首領と戦って亡くなった。
私と治ちゃんは間に合わなかった」

葉月は俯いた。

「織田作がね
最期に言ったの。
人を救う側になれ。って
私と治ちゃんねポートマフィアを抜ける」

「抜けるって…」

一瞬言葉を詰まらせたが、葉月が答えた。

「私は…行けない」

「お父さんの復讐のこと?
それなら私たちはもう力もついた。
治ちゃんもいる。
自分たちで探すのも可能だと思ってる」

私はただ、葉月の不安を取り除くのに精一杯だった。
それが、葉月と一緒にここを出る方法だと思っていたからだ。

「此処にいなくても
もう私たちはやっていける。
治ちゃんがね、ちょっとした当てがあるそうなの。
一緒に行こう」

私は最後のお願いをした。
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