第4章 黒の時代(終章)
また夜が来た。
私達はとあるビルの屋上にいた。
「…………治ちゃん。
見張り結構いるよ」
「そうだねぇ……」
私達は双眼鏡を覗き込んでいた。
これから行う侵入作戦の為だ。
ある人物に会う為の。
「…よし。思った通りだ」
治ちゃんはニヤリと笑った。
何かを思いついた様な顔だ。
「葉琉、狙撃手から抑えよう。
まず其のビルと、彼方のビル」
私は双眼鏡で確認した。
「うん。行けると思う」
「流石はマフィアきっての戦闘員だね。
惚れ惚れしてしまいそうだよ」
「巫山戯てる暇ないわよ。行くよ」
私は空中に小さい氷の足場を作りながら
夜空を飛んだ。
氷は私が能力を解除するか
治ちゃんが私に触れるまで消えない。
後ろからは治ちゃんが付いてきていた。