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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第3章 黒の時代(本章)


次の日の朝

私は慌てて飛び起きた。
何故なら、予定していた時間より
一時間も寝坊したからだ。

家の中には誰もいなかった。

私は手早く身支度を整え
ポートマフィア本部へ向かった。


執務室へ入ると
これまた珍しく
二日連続で治ちゃんがいた。

「おはよう。
昨日もだけど、珍しいね。
治ちゃんが真面目に仕事してるなんて」

「私だってそういう時もあるさ」

治ちゃんは苦笑しながら言った。
続けて昨日の夜、安吾に会っていたことも聞いた。
私は驚きの表情で聞いていたが
治ちゃんは冷静に、昨晩の話をしていた。

「葉琉ちゃん。
今回の抗争、今より大きくなるかもしれない。
そうなると、君にもまた
前線に立つ命令が下るだろう」

治ちゃんは真面目な顔つきで私をみた。
私も治ちゃんを見つめた。

「何よ今更。
最初から私は戦うつもりだよ」

そう言って笑った私に
治ちゃんも笑い返してくれた。

「本当に君は
掴んでも直ぐに指の隙間から逃げてしまうのだね」

治ちゃんが呟いたが、その声は私には届かなかった。
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