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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第3章 黒の時代(本章)


治ちゃんと私は
薄暗い地下へと続く階段を降りていた。

目的は捕らえたネズミの拷問。

だが、目的の部屋に辿り着いたとき
既にそこには三人の死体が転がっていた。
その三人とは
先刻に捕らえたミミックの兵士だ。

「説明が欲しいな」

治ちゃんは言った。
収監房にいたのは
黒服の構成員三名と
背の低い黒外套を纏った男、芥川龍之介だった。
構成員の男が
ここで起こった顛末を説明した。

「なにか問題でも?」

芥川君は治ちゃんに言った。

「成る程ね。いや、問題など何もないよ。
敵を倒し、仲間を守った訳だね芥川君。
全くもって素晴らしい」

治ちゃんはゆっくりと芥川君に近づいていった。

「君の異能力でなければ
そのような強敵を一撃のもとに倒すなど出来なかったろう。
流石は私の部下だ。
お陰で捕らえた敵兵士は三名とも死亡だ。
貴重な情報が聞き出せただろうに。
全く善くやったよ」

「情報など、連中如き僕が纏めて四つ裂きにーー」

芥川君が言葉を言い終える前に
治ちゃんは芥川君の顔を殴りつけていた。
芥川君は吹き飛んだ。
とても鈍い音がした。
私は目を逸らした。

「きっと君は
私が言い訳わ求めているように見えたのだろう。
誤解させて悪かったね」

治ちゃんは芥川君に向けて言った。
そして、続けて

「君、銃貸して」

治ちゃんは黒服の構成員の一人に言った。
部下は戸惑いながら
治ちゃんに銃を渡した。

「治ちゃん……なにするの」

私の問いに返事は無かった。
変わりに治ちゃんは
銃口を倒れている芥川君に向けた。
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