第3章 黒の時代(本章)
その後は
治ちゃんに言われ家路についた。
どうやって家に着いたかは覚えていない。
気がつくと私は暗い居間にいた。
ーーミミック。襲撃者。安吾。
安吾が行方不明なのは
先刻の銃撃戦の時に知った。
「安吾……どうして…」
ふと、口を突いて出た言葉。
それと同時にまた涙が溢れた。
私の脚はゆっくりと崩れた。
「葉琉!どうしたの!?
何があったの!?」
丁度帰宅した葉月は
泣き崩れている私を抱きしめてくれた。
「ひッく………安吾が…居なくなっちゃった…」
葉月は驚きで言葉を失った。
だが、直ぐに落ち着きを取り戻しゆっくりと言った。
「葉琉。落ち着いて。
ゆっくりでいいから詳しく教えて」
私は
昨日から失踪している安吾のこと。
武器保管庫襲撃のこと。
先刻の銃撃戦のこと。
全て話した。
「安吾…もう会えないのかな…?」
私はまた目に涙をいっぱい浮かべて呟いた。
葉月は何も言わずに
ただ私を抱きしめた。