第3章 黒の時代(本章)
一通り聞き終わると
治ちゃんは言った。
「成る程ね。
たぶんその狙撃銃は
うちの武器庫から盗まれたものだろう。
…そいつの腰を見てみるといい。
旧式の拳銃を下げているだろ?」
織田作は倒れた二人の刺客をみた。
私も治の後ろから覗き込んだ。
どちらの刺客も、腰に旧式拳銃を納めていた。
「おそらくは、この拳銃は彼等にとって
徽章のようなものだろう。
自分たちが何者かを示すための」
治ちゃんの言葉に
織田作は尋ねた。
「この男達は何者だ?」
「ーミミック」
治ちゃんは静かに答えた。