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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第3章 黒の時代(本章)


治ちゃんの後に付いて行くと
狭い路地に入って行った。

さらに奥に進むと
二人の男に挟まれ
今にも撃たれそうな織田作の姿が見えた。

「織田作!屈め!」

声を掛けると同時に
治ちゃんは閃光手榴弾を投げた。
次の行動は分かっていた。
私は手を前にだした。

異能力ー氷島

幾多もの氷の礫が
敵に襲いかかった。


「君は全く困った男だなぁ織田作。
君がその気になれば
此奴等なんか一呼吸の間に殺せるだろうに」

散歩でもする様な足取りで
織田作に近づいた治ちゃんは
手を差し出し織田作を立ち上がらせた。

「殺したのか?」

織田作は倒れた二人の刺客と
チラリと私をみた。
何故だか私は
少しいけない事をした気持ちになり
織田作から目を逸らした。
治ちゃんは織田作を宥めようと言った。

「生け捕りにしても無駄だからね。
何しろ、奥歯に仕込んだ毒薬の味が
大好きでたまらない連中なんだ」

織田作は黙っている。何処か納得の行かない様子だ。
治ちゃんは微笑みながら続けた。

「判ってるよ
そういう意味で言ったんじゃ無いんだろう?
けどね織田作
相手は戦闘の専門家だ。
いくら君でも、殺さないなんて無理だよ」

「その通りだ」

織田作は頷いた。

「機嫌が悪いね
…君の主義を曲げて済まないと思っている。
ただ、葉琉ちゃんは責めないでほしい。
指示を出したのは私だ」

織田作は少し考えて言った。

「いや、本当に助かった。
お前達が助けに来なければ死んでいた」

治ちゃんがやれやれと言わんばかりに
首を横に振った。

「それより、この襲撃者だ」織田作は倒れている刺客を
視線で示した。

「安吾の部屋で狙撃されたって?」

治ちゃんが尋ねると
織田作はホテルでの出来事を話してくれた。
治ちゃんと私は黙って聞いていた。
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